取引先が倒産した!
そんな時に備えて借入れできる積み立てを、今から始めませんか?
取引先が倒産した場合の対策はお済みですか?取引先事業者が突然倒産すると売掛金などが回収できなくなるため、自社の資金繰りも危なくなるかもしれません。借入れのタイミングが遅れることによって、企業の存続が危機にさらされてしまう恐れがあります。
そのような事態に備えておけるのが、経営セーフティ共済です。連鎖倒産を防ぐことを目的とした共済制度なので、もしものときは借入れできて安心です。
本記事では、経営セーフティ共済の内容やメリットについて解説します。
「経営セーフティ共済」とは?
経営セーフティ共済は、国が全額出資している独立行政法人中小企業基盤整備機構が中小企業倒産防止共済法に基づいて運営しています。
経営セーフティ共済の概要
経営セーフティ共済は、中小企業の連鎖倒産を防ぐことを目的として、昭和53年4月にスタートしました。
取引先事業者の倒産はいつ起こるかわかりません。たとえ自社の経営は健全でも、取引先事業者の倒産によって連鎖倒産の危機が訪れる恐れがあります。
経営セーフティ共済は、取引先事業者の倒産という不測の事態に直面した中小企業が、必要な事業資金を速やかに借入れできるようにすることで、連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度です。令和8年3月末時点で約67万の企業や事業者などが加入しています。
経営セーフティ共済のメリット
経営セーフティ共済に加入すると次のメリットがあります。
取引先が倒産後、借入れできる
取引先事業者が倒産して売掛金債権等の回収が困難になったときに借入れ可能です。
借入れのタイミングが遅くなると経営が行き詰まり、連鎖倒産する恐れもあります。しかし経営セーフティ共済に加入していれば、倒産や経営難を防ぐことができるのです。
倒産した事業者との取引が確認できる資料には次のようなものがあります。
- 売掛金が元帳の写し
- 未決済手形、小切手の原本(被害額に含まれる場合)
- 取引関係が確認できる帳票類の写し
売掛金元帳を作成していない場合は、売上帳に類する書類の写しを準備しましょう。未決済手形や小切手が被害額に含まれる場合は、登録取扱機関にて写しを取るので原本を提示してください。
取引関係が確認できる帳票類は業種事態や取引内容によって異なりますが、受取手形期日帳、売買契約書、工事請負契約書、確定申告書一式などが挙げられます。
無担保・無保証人で借入れできる
共済金の借入れは無担保・無保証人で受けられるため、利用しやすいこともメリットの一つです。借入れの限度額は、「回収困難となった売掛金債権などの額」か「掛金総額の10倍(最高8,000万円)」のいずれか少ないほうの金額です。
掛金は損金または事業所得の必要経費に算入できる
経営セーフティ共済の掛金は損金(法人の場合)、又は事業所得の必要経費(個人事業主の場合)に算入(※)できます。掛金は月額5,000円から20万円まで5,000円刻みで自由に選べます。
掛金は増額可能で、減額も共済契約者の事業規模が縮小された場合や、事業経営の著しい悪化、急な費用の支出などで掛金の払い込みの継続が困難になった場合に可能です。
所定の書類に必要事項を記入し、登録取扱機関の団体または金融機関の窓口へ書類を提出して、5日までに中小機構に書類が届けば、同月から増減額後の額で引き落としできます。(オフラインでも手続き可能)
※令和6年10月1日以降に共済契約を解約し、再度共済契約を締結(再加入)する場合、その解約の日から2年を経過する日までの間に支出する掛金については、事業所得の必要経費または損金の額に算入できません。
一時貸付金の借入れが可能
取引先の事業者が倒産していなくても、事業資金が急に必要になることがあるかもしれません。掛金の一部を引き出すことはできませんが、12か月以上納付している場合は、一時貸付金の借入れが可能です。
一時貸付金は、掛金総額の75~100%(納付月数に応じて変わります)×95%の範囲内で、30万円以上5万円単位で借入れが可能です。ただし、すでに借入れをしている共済金や、一時貸付金がある場合はその分を控除されます。
| 掛金納付月数 | 一時貸付金の借入限度額 |
|---|---|
| 1か月~11か月 | 0円 |
| 12か月~23か月 | 掛金総額×75%×95% |
| 24か月~29か月 | 掛金総額×80%×95% |
| 30か月~35か月 | 掛金総額×85%×95% |
| 36か月~39か月 | 掛金総額×90%×95% |
| 40か月以上 | 掛金総額×95%×95% |
| 掛金総額が800万円の場合 | 800万円×100%×95%(760万円) |
一時貸付金も担保・保証人は不要で、使途は事業資金(運転・設備)です。返済期間は1年、返済方法は期限一括償還です。
利率は金融情勢に応じて変動し、一時貸付金の借入れの際に一括で前払いとなります。
借入れができて助かったケース
経営セーフティ共済に加入していたことで、借入れができて助かったケースには以下のようなことがあります。
取引先事業者の倒産で売掛金債権などの回収が困難になった
取引先事業者が倒産すると売掛金などの回収が困難になるため、自社の資金繰りも苦しくなります。
経営セーフティ共済に加入して6か月以上経過し、6か月分以上の掛金を納付していれば、取引先事業者の倒産によって売掛金債権などの回収が困難となった場合、共済金の借入れが受けられます。(倒産日から6か月以内に共済金の貸付請求をしている必要があります。)
経営セーフティ共済において「倒産」とは、次のような状態を指します。夜逃げ等の場合は該当しないのでご注意ください。
| 法的整理 | 破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始、特別清算開始の申し立てがされること |
| 取引停止処分 | 手形交換所(電子交換所)またはでんさいネット(株式会社全銀電子債権ネットワーク)に参加する金融機関によって取引停止処分を受けること |
| 私的整理 | 債務整理の委託を受けた弁護士または認定司法書士によって、共済契約者に対し支払いを停止する旨の通知がされること |
| 災害による不渡り | 甚大な災害の発生によって、手形等が「災害による不渡り」となることまたはでんさいが「災害による支払不能」となること |
| 特定非常災害による支払不能 | 特定非常災害(※)により代表者が死亡などした場合に、弁護士などによって共済契約者に対し支払いを停止する旨の通知がされること |
※政府が「特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律」に基づき指定する大規模な災害
共済金を借入れる手続き方法
借入れ手続きは次の手順で行います。
- 必要書類を入手 「売掛金元帳の写し」「未決済手形」「売買契約書の写し」など倒産した事業者との取引が確認できる書類や、所定の提出書類を入手します。所定の書類は「共済サポートnavi」上の専用フォームから入手可能です。契約者(法人/個人事業主)及び取引事業者の状況によって用意する書類が異なります。
- 書類に記入 所定の書類に必要事項を記入してください。
- 窓口へ提出 共済金の受取り及び返済を行う口座のある金融機関に「償還金預金口座振替払に関する申出書」を提出し、確認印をもらいます。登録取扱機関の団体又は金融機関の窓口に必要書類を提示・提出してください。
- 中小機構からの書類送付 審査完了後、中小機構から「共済金貸付決定通知書」「共済金貸付契約証書」及び「共済金送金通知書」が送付されます。
- 金融機関に提出 「共済金貸付契約証書」及び「共済金送金通知書」に必要事項を記入し、印鑑登録証明書とともに、ご指定の金融機関提出してください。「共済契約締結証書」の提示も必要です。
- 共済金のお受け取り 指定口座に共済金が入金されます。
まとめ
経営セーフティ共済は、取引先事業者の急な倒産という不測の事態に備える積み立て制度です。12か月未満で解約すると掛け捨てになってしまいますが、40か月以上納付すれば、任意解約したときに全額戻ってきます。
掛金は損金、または事業所得の必要経費に算入できるため、税制面でもメリットがあるのが特徴です。
取引先事業者の倒産によって売掛金債権などが回収できなくなると、連鎖倒産のリスクに直面する恐れがあります。特に、特定の取引先への依存度が高い場合、連鎖倒産を回避するための対策は必要です。
経営セーフティ共済は、売掛金などを回収できなくなったとき、借入れできるので安心です。もしものときのために、経営セーフティ共済への加入をご検討ください。
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