突然の経営危機からV字回復
~備えていて本当に助かったから、新しく事業を始めた人には特にすすめたい~
沖縄県那覇市に本社を置きながら、県内はもちろん全国津々浦々を対象に事業を拡大中の株式会社徳久グッドビズ。リースキンのフランチャイズから始まったこの企業は2022年、順調な経営拡大局面から一転、事業継続の危機に。共済制度を活用し文字通りのV字回復を果たされた代表取締役と取締役のお二人に、事業拡大と共済制度活用の秘訣について詳しくお話をうかがいました。

- 社名/屋号:株式会社徳久(とくひさ)グッドビズ/リースキンちゅら
- 業種:清掃用具レンタルリース業 広域清掃事業ほか
- 代表取締役:德久みゆき様
ご夫婦で創業し、2年後には新規事業を立ち上げ
- Q.まずは現在の事業内容について教えていただけますか?
-
清掃用具レンタルリース業である、リースキンのフランチャイズ事業と、ハウスクリーニング事業、清掃事業、リネンサプライ事業、ヴォトルドウォーター事業、それに一昨年から立ち上げました、放課後デイサービスの福祉事業があります。特に清掃事業については、沖縄だけでなく全国のATMを対象とする広域事業として運営しています。
代表取締役:德久みゆき様
- Q.いろいろな事業を手掛けられていますが、どのように事業を発展させてこられたのでしょうか?
-
もともとは、同じ業界最大手の企業で二人とも仕事をしておりまして、そこで知り合ったのですが、社長が支店長まで務めて退職後、全国チェーンのビジネスホテルの支配人などのキャリアを経て、夫婦二人から創業したのが始まりです。2005年にリースキンのフランチャイズ事業に加盟して、沖縄県で清掃用具レンタルリース事業を開始しました。玄関マットやモップのレンタルですね。
本当に中古の車1台とパソコン1台、お客様ゼロから始めました。そこからとにかくお客様の開拓を頑張っていく中で、始めてから 5年連続で営業成績がトップになったんです。リースキンは全国チェーンなので、成績上位が集まる全国大会というものがありまして、そこに参加する中で、「今ATM清掃の仕事をやってるんだけど、お客さんが沖縄でできる事業者を探してて」、というお話を聞いて、まず沖縄でATMの清掃事業を始めたのが、広域事業の始まりです。創業から2年後に立ち上げました。
- Q.ATM清掃というのはどのようなお仕事なのでしょうか?
-
取締役 統括本部長:德久健二様 金融機関や消費者金融などのATMを週に決まった回数清掃する仕事なのですが、支店内に併設されているATMではなくて、ATMだけ単独で設置されているところや、国立病院やショッピングセンターのような施設の中にあるATMは、目が届かず管理しにくいので、清掃を外部に委託しているんです。企業によって異なりますが、週2~3回程度の日常の清掃と、年2回程度の定期清掃=ワックス掛けするようなメンテナンスも合わせて受注しています。日常清掃だけならともかく、定期清掃も含まれるので、そんなにすぐに参入して継続できる仕事でもないわけです。私たちもリースキンのノウハウがあったからこそ立ち上げることができたと思っています。
まずは沖縄でそのATM清掃を請け負っていたら、お客様から「関西で出来るところはないか」とお話をいただいて、そこからリースキンのネットワークを駆使して、私たちが話をつけていって、徐々に広域に対象エリアが拡がっていった、という経緯です。リースキンのブランド力のおかげで委託先の開拓ができて、カバーできないエリアは独自に一件一件開拓して、今では委託先が全国で300くらいになっています。
経営セーフティ共済は商工会議所にすすめられたが、しばらくは加入しなかった
- Q.事業がどんどん拡がっているようですが、どのタイミングで共済に加入されたのですか?
-
創業の当初から那覇商工会議所に所属していたのですが、そこの担当者から経営セーフティ共済を熱心にすすめられていました。でも創業間もないころは「倒産リスク」のことまで頭が回らないというか、共済の機能というか利点についてはわかってはいましたが、現実に加入までには至りませんでした。
その後事業が軌道に乗って従業員も増え、株式会社も設立し、それでも商工会議所の担当者が一生懸命すすめてくれていたので、そろそろ備えておくのもいいかなと、月額1万円から加入しました。商工会議所の皆さんはいろんな事業者さんを見てきている中で、少額からでもいいからと私たちに強くすすめてくれたのは、今でもありがたく思っています。
ある日のオフィス風景
商工会議所担当者のスゴ腕
- Q.ほかの事業も次々立ち上げられて、収益が上がっていったのですね。
-
創業から5年後にヴォトルドウォーター事業、オフィスなどに置いているウォーターサーバーのお水を宅配する事業ですね。7年後にリサイクルトナーサービス事業、10年後にクリーニング事業も立上げました。それぞれの事業が軌道に乗って収益が上がってきた時に、共済の月額の掛金を上げたらどうかと、商工会議所の担当者にまた提案を受けました。
そこで、共済の掛金月額を20万円に引き上げて、さらに12か月分を一気に前納しました。逆に言えばそんな納め方ができるくらいの状態になれた、ということなのですが、頑張った甲斐があったなと感慨深かったです。担当者がその時に、税制メリットもありますよと教えてくれて、私たちの経営状態をよく見てくれている人がいる、ということを本当にありがたく感じました。でもその時はまだ、これが絶妙なタイミングだとはわかっていませんでした。
- Q.何があったのでしょうか?
-
12か月分240万円を前納したのが2022年でその同じ年、一番の収益事業であるATM清掃の仕事で、十数年間落札していた大手金融機関の入札案件を落とせなかったんです。全国に数千か所もありますからかなりの大型案件で、売り上げでいうと4分の1、25%を突然失いました。他の事業よりも利益率の高いこの案件が、事業を回す原動力になっていたので、それが急に無くなってもうキャッシュフローが回らない。突然の経営危機、ということで文字通り奔走しました。
当時はコロナ禍でエッセンシャルワークが注目されていまして、大手流通グループのATM機器自体を納品する会社が、新規に清掃事業にも参入したという背景があったようです。国から補助金も出ていたりして、他業種への参入が奨励されていた時期ですね。おかげで大変な目に遭いました。
事業を回すためにできることは何でも実行、そして解約
- Q.突然の経営危機に、具体的にはどのように対処されたのでしょうか?
-
まずは、売上が無くなった分を補填するための営業活動に注力しました。でも25%の穴埋めはさすがにすぐには難しかったです。税理士に相談して、事業を回すための資金をかき集める方策を検討し、実行していきました。経営者が掛ける保険を解約したり、役員報酬を生活するギリギリまで下げたり、やむを得ず従業員の賞与カットに踏み切ったり、それでも事業資金が足りなくて、商工会議所に共済の解約を申し出ました。
資料を基に当時のご苦労を
社長にお話しいただいた
- Q.貸付けではなく解約を選択したのはなぜでしょうか?
-
周囲の人に助けられたと振り返る取締役 もちろん商工会議所の担当者には貸付けをすすめられたのですが、当時は返済する宛てがなくて、不足している事業資金をなるべく多く得るために、解約を選択しました。
掛金を40ヶ月以上納付していたので解約金は全額戻りましたし、直前に240万円前納していたおかげでまとまった事業資金になり、赤字ながらも経営を継続させることができました。掛金を月額1万円のままにしていたら、大した蓄積になっておらず、資金不足に陥っていたと思います。 担当者のおすすめに従っていなかったら、と思うとあれ以上絶妙なタイミングは無かったのではないか、と今でも感謝しています。
危機を乗り越えたのちの、V字回復と共済再加入
- Q.経営の危機を乗り越えた後は、どのような展開があったのですか?
-
とりあえずキャッシュフローが回って1年ほどは苦しい時期を過ごしましたが、営業を掛ける中でATM清掃の新しいお客様にお声がけをいただくことができました。これまで長くお付き合いいただいている消費者金融のお客さまが同じ業界で、「この会社は広域でATM清掃ができるよ」って紹介してくださったんですね。このご時世キャッシュレス化でATM自体が少なくなったり、物価が上がってコストが見合わなくなったりで、事業自体をたたんでしまう会社も増えています。廃業する事業者の担当エリアが手つかずになりそうで困っている、ということでご紹介いただきました。
ほかにもこれまでのお客様に対して単価を上げる交渉をしたり、常々取引のあったお客様でエリア拡大の横展開をしたりで、おかげさまで経営危機の前の状態の1.5倍の売り上げを確保できるようになりました。このような展開が無かったら十分な利益を得られず、従業員の削減も考えなければいけなかったと思います。
- Q.まさにV字回復ですね、その後共済は再加入されたのでしょうか?
-
はい。危機を脱した後、利益が見込めるようになった時に再度加入しました。やはり最初は少額からはじめましたが、現在は掛金月額の上限20万円を納付しています。備えられるときに備えておくことの大切さを痛感しましたから。
現在の本社と社用車
コロナと経営危機を経て、新規事業を立ち上げ
- Q.これからどのように事業を展開していきますか?
-
コロナ禍の際に考えたのですが、やはり清掃関係の事業だけでやっていくのはリスクがある、何が起こるかわかりませんから。経営危機を乗り越えてお金を手元で回せるようになったときに、常々やりたいと思っていたことを始めることにしました。放課後デイサービスという、子供たちのための福祉事業なのですが、グレーゾーンの子供たちを放課後などに預かる事業です。私も子育てで悩んだ時期もあったので、その時のことを思い出して、清掃とは全然違う畑違いの事業をスタートさせました。『はぴじゅに』という名前なのですが、2024年7月からはじめて、ようやく軌道に乗ってきたところです。
事業拡大や経営危機をともに乗り切った
従業員の皆さまと -
この小規模多機能型事業所の放課後デイサービスは、事業を行う建物の築年数や耐震性に縛りがあったり、送迎用の駐車場が必須だったりなど、要件を満たす場所の確保が難しいこともあるので、戦略戦術を考えながら、時機を見て拡げていきたいと考えています。
それから、広域事業で全国に委託先というネットワークを築きましたので、今のつながりを活かして、新しく何か別の仕事を紹介できるようにしていきたいとも思っています。新しい商品が開発されて、そのメンテナンスを全国規模できめ細かく対応するとか、そういった小さいところからかもしれませんが、ネットワークの強みを活かして今後の取組みを展開させていきたいですね。
経営セーフティ共済をおすすめしたい人はどんな人?
- Q.経営セーフティ共済をどんな方におすすめしたいですか?
-
新しく事業を始めた人にこそ
おすすめとお話し頂いた新しく事業を始めた方々には特におすすめしたいですね。もちろん創業当初から倒産とか、そういったことは考えないと思いますし、考えたくもないかもしれません。私も全く興味がなかったっていう話をさせてもらいましたが、でも結果的に加入していたおかげで実際に事業を継続できたので、やっぱり最初から備えた方がいいかな、と思っています。5,000円から入れますから、一番少額の5,000円からでも、お守りのつもりで入っていただくと良いかと思います。
人とのつながりを大切にして信頼関係を築いてきたからこそ、事業の発展と危機の突破が得られたのだろうと、深くうなずけるお話をうかがいました。そして、順調に事業が拡大していても外的要因により、どんな危機がいつ訪れるかわからないこと、リスクに備えることの重要性を痛感させられました。
多くの責任を担っている中小企業経営者の皆さまには、大切な事業の継続のために、経営セーフティ共済で備えることを心からおすすめいたします。
FAQ
よくあるご質問
- Q.1
- Q.2
- Q.3
- Q.4
- Q.5
- Q.6
- Q.7
- Q.8
- Q.9
共済特設サイト「共済サポートnavi」のよくある質問も参照